●換気の目的
- 適切な酸素および二酸化炭素濃度の維持
- ホルムアルデヒドなど有害物質の濃度抑制
- においや煙、細かい塵などの排出
- 温湿度の調整
ホルムアルデヒドなどによるシックハウス症候群を防止する目的で建築基準法により24時間換気が実質義務化され換気量の基準が定められています。もう一つ大事なのは換気経路です。気密性が低い隙間だらけの家では換気扇を回しても近くの隙間との間で空気が流れるだけなので部屋全体の空気はなかなか入れ替わりません。一方で高気密住宅の胆は換気経路と換気量のコントロールです。適切な場所(換気扇から遠い位置)に給気口を設ければ部屋全体・家全体が空気の通り道になり、電動の換気扇により換気量はほぼ一定に保たれます。
●換気設計


この家では常時オープンの給気口が床下に3か所あり、予備として天井付近に1か所設けています。床下給気口の屋外側は入口が雪に埋もれないように煙突のように配管を上に伸ばしています。床下から入った冬の外気は放熱器で温められて室内に給気される仕組みです。


一方で排気のほうは24時間常時運転の換気扇がトイレにあります。給気口から入って室内を循環した空気は最終的にトイレのドア下の隙間を通って換気扇で外へと排気されます。この空気の流れによりトイレの臭いは他の部屋に漏れません。それ以外の換気扇は夏場の熱気を抜くために天井付近に一つ、浴室とキッチンに一つずつあります。
●CO2濃度のコントロール
厚生労働省の規定する建築物環境衛生管理基準では室内の二酸化炭素(CO2)濃度を1000ppm以下としています。これを超えると眠くなったり気分が悪くなる人の割合が増えるようです。屋外は約400ppmなので換気による外気導入で室内を1000ppm以下にすることができます。一方CO2濃度を上げる要因は燃焼器具および呼吸です。人間の呼吸は安静時0.013㎥/h、軽作業時0.03㎥/h、重作業時で最大0.09㎥/h程度のCO2排出量と言われています。トイレ換気扇の風量「弱」の状態でこの家のCO2濃度を測定すると就寝中の午前3時に819ppmだったのが活動中の正午には1085ppmに上昇しました。就寝中はトイレ換気扇を「弱」、活動中は「強」に設定すると窓を閉め切っていてもおおむね1000ppm以下に抑えられています。
