設計方針

  • 次の世代も使える建物を設計する
  • 十分な性能と品質を確保したうえで費用を抑えることを良しとする
  • 北海道らしい魅力的な景観を作る

住宅の設計においてこの方針を形にするための3つのコンセプトを提案します。

小さな住まい

家が小さいと建設費や冷暖房エネルギーを抑えられます。生活動線が短く家事や維持管理が楽です。収納スペースの狭さが難点ですが、かえって本当に必要なものだけ所有することにつながります。家を小さくして庭を広めにすれば街の緑化にも貢献できますし、堆雪スペースを確保できるので除雪も楽になります。そして小さな住まいを受け継ぐ次の世代の住居費と環境負荷が軽減されます。

長持ちする暖かい住まい

建設費をできるだけ抑えるのは良いのですが、安かろう悪かろうでは次世代に受け継ぐことはできません。木造でもまっとうな材料と工法を使い適切に維持管理すれば100年以上長持ちし耐震性能も確保できます。また、断熱性と気密性を高めれば快適なうえに冷暖房費を抑えることができ、結露も減るので建物の寿命を延ばすことにもなります。

自然でシンプルな住まい

道内にはアイヌのチセ、開拓時代の洋風建築、レンガ倉庫や炭鉱跡など産業遺構、三角屋根住宅や無落雪住宅、ガラス張りの高層ビルなど新旧様々な建物が建っています。そのなかで農漁村に多く残る古い納屋や小屋(写真)は赤や青のトタンで葺かれた勾配屋根に下見板張りの外壁という実用本位の素朴な木造建築です。それが故に悪目立ちせず北海道の自然に溶けこんでいます。昭和中期まで北海道では最も多い住宅様式でした。都会的なカッコよさとも洋風の可愛らしさとも違いますが、謙虚で地に足のついた美しい建物だと思います。

道北の畑作地域の納屋
旧奥行臼駅逓所 馬小屋

これらのコンセプトを設計に落とし込んでセルフビルドで建てたのが羊群の事務所兼自宅です。興味のある方は羊群事務所のページをご覧ください。